家庭介護の現実。 | ある植物学者の視点。

家庭介護の現実。

いまや日本の平均寿命は80歳を超えており、元気に海外旅行などをされる方も増えていますが、その一方で介護を受けなければ生きていくことの出来ない方も確実に増えています。このことに対応するために施行された介護保険、40歳以上の加入が義務付けられ、民間業者による介護サービスを受けられるというものですが、早くも財政難だそうで、加入年齢を20歳以上に引き下げようという議論がなされています。でも、この制度って本当に必要なのでしょうか?

この制度、様々なサービスを受けられるかのように見えますが、民間業者による介護サービスしか受けられない、すなわち、家族が介護する場合には何のサポート(助成金など)も支払われません。しかし、加入義務とはすなわち税金みたいなものですから、毎月しっかり出費しなければなりません。

病気、老衰さまざまな事由から介護を必要とする身になってしまった大切な家族の介護を自分の手で行いたい、という方は数多いと思います。程度もによりますが、介護は24時間休みがありません。つまり、生活のために働くことも出来ないわけです。家族こそ、心の通った介護の出来る唯一の存在だと思います。本来、国が介護保険という位置付けで行うべきは、介護のために働けない家族への金銭的支援、心のケアをすべきだと私は思います。今はなかなか家を建てることも難しいですから、2世帯住宅などで両親と同居するケースもかなり多く、核家族の解消が出来る環境に移りつつあります。介護を実際に行うのは大変ですから、選択の余地があるのは良いことだと思いますが、家庭介護への援助を行うことは家庭環境の改善にもつながりますし、子供にとってもかけがえない教育になるでしょう。

躾ができる高齢者と共に生活する、育つことで学ぶことはかけがえのないことです。犯罪発生率も減るでしょうし、学級崩壊なども改善されるのではないでしょうか。物事の善悪をきちんと教えてもらえるはずです。