普段食べてるお米。<遺伝子組換え植物・連載第2回> | ある植物学者の視点。

普段食べてるお米。<遺伝子組換え植物・連載第2回>

最近、古代米や雑穀ごはん、流行ってますね。豊富な食物繊維、ミネラル、ビタミン。我々にとって必要な栄養の摂取や体内環境正常化という2点において非常に人気があります。では、ここで疑問に思うことはないですか?なぜ、我々が常食している現代米にはこの食物繊維、栄養素が含まれていないのか・・・。
現代米は、米食文化圏に属する人たちを中心に千年の時を経て作り上げられたものです。主食としての栽培では、より高収量、高栄養(ここではエネルギー源としての糖、デンプンを指します。)であることが必須であり、理想的な農作物を作り出すためにそれぞれの特徴をもった植物をかけ合わせることで欲しい形質、すなわち遺伝子を寄せ集めた植物を作り出してきたのです。その結果として、古代米にあった高ミネラル、高ビタミンといった性質が失われていったのです。
余談ですが、食物繊維、ミネラルともに過剰摂取は逆効果です。もしかすると、我々の先祖はこのことにも気がついて、後世の我々のためにその遺伝子を除いてくれたのかも知れません。