何故食べたくないか。<遺伝子組換え植物・連載第4回> | ある植物学者の視点。

何故食べたくないか。<遺伝子組換え植物・連載第4回>

現在普及している遺伝子組換え作物は、主に農業の効率化(手間の削減)を目的としたものです。実際にこれらを栽培するのは農家ですから、作業効率を上げると収入の安定(念ごとの変動を減らす)という点で非常に受け入れやすいものです。アメリカではビジネスとして成功していますし、発展途上国では食糧生産の増強に期待が高まり一部の国では栽培および開発が進んでいます。
でも、我々日本人やヨーロッパ人はこれらを口にしようとしませんし、大学における研究での栽培すら自治体レベルで禁止されようとしています。(北海道では知事提言としてすでにパブリックになっております。)でも、皆さんは遺伝子組換え作物の何が嫌なのですか?これまでの記事で説明したように、普通に食べている野菜だって遺伝子組換えをうけているのですよ?
皆さんが不安に思うのは、除草剤耐性や害虫防除能といったいままでの植物にはない形質を人工的に入れていることだと思います。そして、これら蛋白質の体への影響。科学的には、これらの蛋白質(酵素)が人体に無毒であることは証明されています。また、これらの遺伝子が人体に吸収されて染色体に組み込まれる、ということもありません。(そんなことがあったら、地球には緑色で光合成できるナメック星人がいっぱい。)
今年のような異常気象が続けば、今後我々に選択の余地はなく遺伝子組換え野菜、加工品が市場にあふれることでしょう。そのときまでに消費者それぞれが予備知識を身に付けなければならないのは当然ですが、販売側も現在のような「GM」ひとくくりではなく、どんな遺伝子がどのような形で導入されているのか、個々の安心評価のために開示するべきだと思います。
少し、長く複雑になりました。質問等あればお気軽に書き込んでください。
明日は、環境への影響について。