信用の維持と向上。 | ある植物学者の視点。

信用の維持と向上。

今日は少し、毛色の異なるお話ですが、昨日のニュースで三菱自動車が日産自動車より自社に幹部を迎え入れたいとの要請を行ったということがありましたので、表題のテーマについて考えることを。

三菱自動車といえば、リコール隠し等の不祥事から社会的信用をなくし、一時は中古車屋さんでも買い取ってくれないほどの社会問題となりました。一方、日産自動車といえばルノーから派遣されたゴーン社長を中心に奇跡的な回復をみせた会社。日産の復活は、旧態依然とした非効率的な生産・開発方法を改めて大幅な効率化(つまり、リストラ)を断行したことにあります。ゴーン社長就任がマスコミの注目を集めたこともあり、経営の健全化が大きく報道されたことで消費者が受けた好印象が商品の購入を加速させ、業績を向上させたといえます。三菱自動車も、まずは経営の健全化を急速に進めることから開始するようです。

信用というものは長い年月をかけて築いても、崩れるのは一瞬。一度崩れた信用を取り戻すのは容易ではありません。人間関係であれば、お互いのもたれあいの部分もあるので些細なことは我慢もしますが、顧客対企業の場合には、信用の対価として代金を支払うわけですから、どんな些細なことでも顧客に不信感を抱かせてはいけません。私も大学などで講義を行っていますが、授業内容には細心の注意を払っています。内容に間違いがあってはいけませんし、板書に誤字があってもいけません。教師が教壇に立つ場合、生徒からの信頼と保護者からの授業料を受け取っているのですから。