学力は遺伝するのか? | ある植物学者の視点。

学力は遺伝するのか?

科学的な根拠のないことを書くのはあまり好きではないのですが、私は学力も遺伝的影響を受けると考えています。誰でも経験があることだと思いますが、小学校のかけっこで足が速い子は生まれつき速いし、遅い子がどうがんばっても敵いっこありません。(ちなみに、私は後者でした。)同様に、物覚えがいい(暗記能力が高い)子もいれば、逆の子も生まれつき存在しています。この点だけでいえば、先天的な学力にははっきりと差があると言えます。

しかしながら、スポーツで様々な技術を磨かなければならないのと同様に勉強の場合にも論理的な考え方を身につけたり、基礎から順を追って覚えていくという長い時間をかけた修行が必要です。これは、遺伝とは全く関係がないものです。もちろん、野球が上手な子が野球の練習を一生懸命やるのと同じく、勉強が得意な子は勉強を一生懸命やるわけですから、そこで差が広がるわけです。つまり、自分が人より優れている部分を伸ばそうと努力する、努力しないと他人に抜かれてしまう(=長所を失ってしまう)と感じるわけですね。では、努力を続けられる環境とはどんなものでしょうか。

実は、この環境が親の学力(子供時代からの努力)に依存します。単純に、高学歴・高収入の親の家庭であれば、学級崩壊の生じた公立学校ではなく進学に特化した私立学校に通わせられますから、12年間でつく差は限りないものでしょう。ですが、これよりも大事なのは何時、どのような努力をすべきか、親が経験から得たものを伝えられること、そして継続した努力を見せることだと思います。自分の経験があれば、それなりのノウハウを持って教育を行うことが可能です。

何事にも、努力するには目標が必要です。子供にとって親は最も身近な目標ですから、これを念頭に置くべきで、単純にお金かければ良いわけではありません。