郷里の正月行事。 | ある植物学者の視点。

郷里の正月行事。

連休を利用して、実家へ出かけてきました。私の場合、車で1時間程度ということもあって帰省といってもほぼ毎週末に帰っているのである意味、住んでるようなものですが・・。仕事の関係で離れて住んでいますが、両親も年ですし、祖母もいますので出来る限りは帰って顔をみせるようにしているわけです。力仕事をしたりもするのですが、最近は大きなものを運ぶと必ずどこかを痛めて帰ってきます。。。歳ですね。。。

うちの実家のほうでは、お正月の7日を過ぎた最初の日曜日(今年の場合は今日)、神社においてかがり火をたいてしめ縄や松飾を燃やし、その火で鏡餅を焼いて食べる、「どんど焼き」という風習があります。この火で焼いたお餅を食べると一年を健康に過ごせ、この火で焼いた松を屋根の上に載せておくと火事にならない、といった言い伝えがあり、いまもこの風習が残っております。まあ、真っ黒に炭のついた餅を食べるのはガンになりそうで怖いとも思うのですけど。

この「どんど焼き」については、今も忘れられない不思議な体験があります。この神社は森に囲まれているのですが、ある年の晴れた日、どんど焼きの炎が立ち木に燃え移るということがありました。これは大変だ、山火事になる、と思ったその瞬間、突然雨が降り出して火を消し止めました。そして、火が消えるとまもなく雨は止みました。空は青空のままでしたし、まわりを見回すと雨が降ったのはまさにこの立ち木の廻りだけで、あたかも神社の神様が炎を消したかのようでした。

私も科学者のはしくれですし、個人的には宗教に対して否定的な考えをもっています(宗教にすがることで生活の苦しみに耐える時代ならともかく、現代では戦争の一因となって負の影響が大きいと感じています)が、このような奇跡としか呼べない現象を目の当たりにすると、神仏の存在のようなものは信じてもよいのかなあ、と思ってしまった出来事でした。