遺伝子組換え食品に対する知識。 | ある植物学者の視点。

遺伝子組換え食品に対する知識。

過去にこのブログにおいて、遺伝子組換え食品(および遺伝子組換え植物)についての一連の記事を書かせてもらいました。今年度(昨年4月)からカルタヘナ条約が発効され、わが国における遺伝子組換え作物育成への規制は強化されましたが、地球環境の悪化や人口増加への対応を行うためには遺伝子組換え食品が我々の食卓において中心に来る日も近いのかもしれません。

こういった現状なのですが、日本は経済的に豊かなこともあるのでしょうか、どのようなものなのかを知ろうとしない、自分は高くても遺伝子組換えでない食品を選ぶから関係ない、という意見があとを絶ちませんし、極端な例では全く事実に基づかないトンデモな本を書く人や売る人がいます。本やのたちが悪いところは、活字になってしまうと根拠として使われてしまうことにあります。マスコミ報道も同様で、テレビや新聞で言っている事は正しい、と感じがちなものです。過去に、これが原因で冤罪事件も数多く起こったのですが・・・。

ともかく、マスコミ報道の影響というのは大きいですからまずはこれらの方々に正しい知識を身に付け、(気が向けば)報道していただくのが一般への情報公開として最も有効な手段であると思います。もちろん、我々研究者の場合には科学的根拠と経験でもって安全だと判断していますが、一般の方が同じ情報を共有したからといって、安全だと判断し、安心して食べようと思ってくれるかどうかは別問題です。

食の安全が重視されている昨今、遺伝子組換え食品についても正しい知識を身に付けるのは必要なことです。食べる食べないは、それから個人が判断すればよいのですから。

何故、久しぶりにこの話を書いたかというと、現在企業研究者・地方自治体職員・マスコミを対象に「遺伝子組換え食品・作物」を切り 口に科学と社会の関わりについてアンケートが行われているからです。
現段階では若干、予備知識のある方を対象にしたものだと思いますが、職業欄に「その他」っていうのもありますから、気軽に参加されては如何でしょう。目を通すだけでも勉強になると思います。